―――全てを言った。 全てを語った。 想いは切なく、空に果かなく。 零れ落ちるは空から流れる涙という雫。 Last week-3-
「とりあえず、落ち着いたら?」 多紀を見て泣き出した私を吃驚して見ていたが、 そういって差し出された暖かい、缶のココア。 夏だけど、この暖かさが心地よいのは、きっと 多紀の優しさも伝わってくるから。 涙が、滲んでは零れ、滲んでは、零れる。 「あと、5日しかないの・・・。」 そう言ったのは、昨夜の事。 嗚咽を堪え、全てを話した。 水曜日の、朝。 鏡を見なくても分かる。 腫れた目が、熱い。 いつもの朝、晴れわたる、朝。 暑い朝。あつい、あさ。 でも、幸せな朝。 隣にはすやすやと眠る、多紀がいる。 まだ、起きては無いみたい。 昨日はもう遅かったし、私を心配してくれたから。 ずっと手を握って、ずっと傍に居てくれたんだ。 繋がれた手が、物語る。 「多紀、起きて。」 体をゆする。 二人共、昨日の服のまま、ベットに倒れこんだ。 もう遅かったから泊まって貰ったのだ。 「多紀、多紀。」 体をゆする。 もう、お昼過ぎで、お母さんも居ない。 きっと仕事に行ったのだろう。 もう、意味は、ないのに・・・。 「ん・・・おはよ、秕奈・・・今、何時?」 「12時過ぎ。どうする?」 「どうするって・・・学校は行けないし。」 「だよね、じゃぁお昼作るね。」 ふわふわなお昼。 あぁ、いつまでも続けばいいのに。 「秕奈。」 「うん?」「好きだよ。」
「・・・うん、私も。」 「知ってるよ、秕奈の気持ちぐらい。」 「あ、あはは・・・。」 私も知ってたけどね、多紀の気持ち。 でも、勇気が無かったの。 「秕奈、明日遊園地でも行こうか。」 「それいい!行こう!」幸 せ な お 昼 。 続 か ぬ 幸 せ 。 次